意地悪なアイツ【完】
~唯 side~
健人の言葉にあたしは全身硬直
誰もいない二人っきりの教室
これだけでも緊張してしまうのに
あんな言葉を言われてますます
私の鼓動がドクドクと加速していく…
顔もなんだか暑い
変な汗かいてきた!!!!!
一刻もこの場から逃げたい。
そう思っているときに
健人の方を向くとボヤける視界でも
ハッキリと分かる真剣な顔をしていて…
「あのさ…」
何て付き合っていた頃に
よく聞かせてくれたカッコいい声で
カッコいい表情で私をみてくれていた。
『なっ…なに?』
たじたじになりながらも
精一杯の強がりを見せる…
「やっぱり俺、お前のことが好き。
諦めるとか無理」
“私も好き” そう言いたいけれど
目の前にある壁が邪魔で言えない…
言葉につまる…。