意地悪なアイツ【完】
「ごめんな…本当に…
龍たちから全部聞いたよ」
『全部聞いたってどうゆうこと?』
「お前は気づかなかったかもしれないけど
龍たち帰ってなかったんだよ
ドアに隠れて俺たちの話聞いていたんだ
本当に悪趣味だよなぁ(笑)」
さっきの仕返しなのか、
私が質問したことに答えてくれない。
街灯が水面に反射してキラキラと輝き
月はあたしたちの背中を照らし影を作る。
「…」
『…』
何も話さない健人。
でも、私はなんとなく分かっていた。
きっと…
「お前、目の病気なんだろ?」
ほら、やっぱり…
もうダメだ、あたしから離れていく…
そう思っていたのに
健人からでた言葉は私が予想すらしないものだった。