意地悪なアイツ【完】
今までずっと健人と一緒にいたけど、
こんなに真剣で必死な姿を見たのは初めてだ。
「なに言ってるの?
力を貸すに決まってるじゃん!!」
『本当だよっ
当たり前のこと聞くなよなぁ~』
そう俺たち二人が言うと、
健人は
「ありがとうっありがとうっ」
と言いながら涙を流した。
あれから半月が経ち、
ショックを受けていた愛美もやっと回復。
昨日久々に連絡が着て長電話をした。
『今日卒業式だな…
本当、三年間早かったよ』
冷たい風が吹き、身を縮めて言う…
「本当だよ…この三年間濃すぎて思い出がたくさんできたわ(笑)」
本当っこの三年間濃かったな…
愛美を好きになって
元カレと喧嘩してボコボコになって…(笑)
色々あったなぁ…
そんな事を考えているといきなり
目の前が真っ暗になった。
『んっ!?んっ!? なんだぁ~!?』
隣でクスクスと笑う健人。
「だぁ~れだっ!」
後ろから聞こえる俺の大好きな声。
『まなみ~!』
目の前が明るくなり顔を下に向けると
愛美がニコニコとしながら立っていた。
「龍、健人、おはようっ!」
『「おはようっ」』