意地悪なアイツ【完】


それから唯は俺に話しかけなくなって
目を合わしても直ぐ逸らされてしまうようになった。


それが腹立たしくて

俺はついつい小学生のように
ちょっかいをだしてしまう…


唯にはあんなバレかたしてしまったけど
愛美には一年の時からバレていた。

って正確に言うと、
龍がバラしたんだけど…


あの口の固い龍が話すんだから
何かあったんだろうけど、

「やっぱりね」

と、あまり驚いていなかった愛美を見て
俺は龍を問い詰めなかった。




さっきからどこに行くの?と聞く唯に
さーなしか答えてない俺。

文化祭の準備をしていたせいかすっかり日は傾き空は紫色に染められていた。


『ついたよ』

目の前には本屋さん。

唯はきょとんとした顔で俺の顔を見つめている。

「ここに来たかったの?」

『そうだけど』


なーんて言ってるけど、
本当は本屋が目的で来た訳じゃない 。

唯と一緒にいたくて来たんだ。



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