意地悪なアイツ【完】
夏休みに入り一段と暑さが増す。
コンクリートから跳ね返される暑さに耐えながら俺は愛美と一緒に駅前のベンチに座っていた。
『あちぃ~』
「まじあの二人遅いんだけど」
とイライラしながら言う愛美に
ほんとだよと心の中で呟く。
「ぉーぃ」
しばらくすると遠くの方から龍の声が聞こえてきた。
声が聞こえた方を見ると
龍と唯が猛ダッシュでこっちに向かってきている。
『お前ら遅い!!』
「はぁ…はぁ…
ごめんごめん。バスが遅れてさ」
必死に言い訳をする龍に
あたしもあたしもと言う唯。
「唯は分かるけど
龍は家から5分もかからないでしょ!!」
なんて龍は愛美に怒られながらも
俺たちは電車に乗った。
電車に揺られること20分
やっと俺たちはプールについた。
全長100メートルを超えるウォータースライダーに流れるプール。
俺達は急いで着替て更衣室を出たけど
まだ唯と愛美は着替えていなくて
俺たちが先だったみたい
「愛美たちまだかな~」
「ごめーん!おまたせー」