意地悪なアイツ【完】
ショボくれてるアイツがあまりにも可愛くって…
『俺高い所大丈夫だから一緒に行く?』
「うんっ!!」
唯は子犬のように目をクリクリさせながら言った。
ウォータースライダーにつくと
「1時間待ちとなってま~す。
順番に並んでお待ち下さ~い」
メガホンを使って叫ぶ係員。
呆然と立ち尽くすなか目の前には
ありの大行列みたいになった人だかり…
『まじかよ…』
「やっやっぱり辞めよっか!」
遠慮がちに言っている。
きっと俺が嫌そうな顔をしたからだ…
『何言ってるんだよ!!
お前が乗りたかったんだろ
気にすんな、気長に待とう』
俺は唯の頭に手をのせた。
上を向く唯
「ありがとう…」
小さな声でそう呟いた。