意地悪なアイツ【完】
~唯 side~
夏休みが終わって1ヶ月が経ち
あの蒸し暑い季節から
少し肌寒い季節に入った10月上旬。
今は休み時間で私は窓を開けてふて寝をしていた。
フワッと舞い込んできた風が
私を包み込む。
風にのった金木犀の香り
あたしはこの香りが大好きだ。
「ねぇねぇ明日から修学旅行だね」
そう私に話しかけたのは愛美。
そっか明日から修学旅行なんだ。
最近ボーっとしてたから
そんな事覚えてなかったよ。
『あー思いっきり忘れてた』
「えー!?明日だよ!?
揃えるもの揃ってんの?
てか一大イベントを忘れるなんて
唯は女じゃない!」
愛美はマシンガンのように
質問を投げ掛けてきた。
女じゃないか…笑
私は4人でプールに行ってからというもの
バイト漬けの毎日を送り、
たまの休みも遊びに行くことなく
家で一日中ぐーたらする…
こんな生活を送っていた。