意地悪なアイツ【完】
幼稚園の時怪我をして入院した事
小学校で唯と友達になった事
中学で初めて男の人に告白された事
健人達とプールに行った事
お父さん お母さん
お兄ちゃん 愛美 健人 龍
さよなら…
キキキキキーー
えっ?
車は私の体スレスレで止まった。
「お前何してんだよ!
走っても間に合わねーぞ、乗れよ」
私を引こうとした車の後部座席から
顔を覗かせる人の影。
んっ?山田!?
何で山田がここに?
「ほら早く乗れよ!」
申し訳なさを感じながら
私は山田の車に乗せてもらった。
「大丈夫だったか?」
車に乗るとさっきとは違う優しい顔、
優しい声で私をなだめてくれる。
「ごめんな、
でも怪我が無くて良かったよ」
『ありがとう』
あたしは小さな声で言った。