意地悪なアイツ【完】
まるで唯に告白されてるみたいで
なんだか緊張してしまう。
『じゃあそれは好きって事かな』
少し沈黙の後
「私、好きなんだ…」
と頬を赤らめて言った。
その時、
フワッ
唯は俺の手を握り、持ち上げた。
その手は唯の胸の近くまで持っていかれる。
ドキ…ドキ…ドキ…
高鳴る鼓動
緊張が走る
「ねぇ…」
潤んだ瞳の奥が少し揺れた。
回りは静かで、
ジーと鳴る自販機の機械音しか聞こえない。
「健人は私のこと好き?」
一瞬、時が止まったようにも思えた
まさか唯がこんなこと言うなんて思ってもいなかったから…
そして俺の思考回路は完全に停止
言葉もでない
見つめあう二人に刻々と
時は過ぎていった。