【完】運命は罠と共に
「そろそろ食べ終わった?」


私が答える前に、田中さんに抱き寄せられた。


「もう我慢しなくていいよな?」


抱きしめられいたはずなのに、気付くとソファの背もたれに押し付けられ、キスされていた。


驚いて動けないでいる私の唇を強引に押し開けて、田中さんの舌が侵入してきた。


久しぶりの大人なキスに翻弄される。


深くなっていくキスに思考は完全に停止した。





「……ん……ん///」


自分の声で現実に引き戻され、急に恥ずかしくなった。


こんなに何も考えられなくなるようなキスは初めてだった。




「可愛い。明日休みだったよな?」


久しぶりの感覚からまた抜け出すことが出来ず、私は小さく頷くしか出来なかった。


「泊まっていい?」


言葉で答えられない私の耳元で囁かれた。


こんなにも色気のある声で聞くなんてずるい。頷く以外に出来ることがあれば教えて欲しいくらいだ。



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