【完】運命は罠と共に
田中さんは現在入浴中。


洗濯したてのタオルと、クローゼットに仕舞われていた男性用のスウェットを出しておいた。


男性用の服はこれしかないから。



それに泊まるつもりだった田中さんは、私が寝ている間に下着だけは買ってきたらしい。


さっきのコンビニの袋がそれだった。


浴室からはシャワーの音が漏れ聞こえてくる。


この音に緊張感が煽られていく。


どんな顔して待っていればいいんだろうか。







色んな考えがぐるぐると回って、そして1人で悶々と考えていた。……ら、気付かなかった。






「あがったけど、これ着てよかったんだよな?」


急に背後からかけられた声に、びくりと肩が揺れてしまった。


「すみません、出てきたの気付かなかったです。サイズあったみたいでよかったです」





私が安心して答えると、奇怪な顔をした田中さんがいた。


どうしたんだろうか。


何かあったんだろうか?不思議に思いながらも私もシャワーを浴びに言った。





「……??私もお風呂いってきますね」
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