【完】運命は罠と共に
「そろそろ我慢できないんだけど……抱いていい?……奈々」


いつの間にかベッドへ押し倒されていて、目の前には私に覆いかぶさっている田中さんがいた。


……あれ?今奈々って言ってくれたよね?


こんな声で耳元で言われて、断れない人っているんだろうか。


いるのなら是非とも顔を拝ませていただきたいくらいだ。


だって気付けば頷いてしまっていた。




「できるだけ優しくするけど、余裕ないからな……」


一度私から離れた田中さんは、バッと服を脱ぎ、引き締まった上半身に見惚れてしまった。


ボーっとなっている間に、私もあっという間にパジャマと下着を脱がされていった。


脱がしながらも、田中さんの唇は私の唇から首筋、鎖骨、胸と下へ下へと降りていった。


こんな感覚は初めてだと言えるくらい身体が熱い。


彼が触れた場所が、熱くて熱くて仕方がない。


声は出そうとしても、喘ぎにしかならず、その声が恥ずかしくて下唇を噛んで我慢していた。




「ほら噛まないで。声聞かせて」


彼の指が私の唇を撫でていく。その感触が気持ちいい。


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