【完】運命は罠と共に
あれからどのくらいの時間が経ったのだろうか。


幸せを感じて、それから気付けば眠ってしまっていた。


目を覚ますと田中さんの腕の中。


彼の体温を感じて、先ほどまでの行為は夢ではなく現実だったと実感できた。


こんなに近くで人の体温を感じて眠ったのはいつぶりだろうか。


幸福感も同時に感じたのはこれが初めてだと思う。




田中さんは……まだ寝てる。


こうやってまじまじと顔を見たのは初めてかもしれない。


やっぱりかっこいいよなー。


私なんかが彼女になっていいんだろうか。


あまりにも整った顔に、少しだけ劣等感を感じた。


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