【完】運命は罠と共に
着いた場所は私の家からは少し離れた大型のショッピングモール。


映画館も併設されていて、私もよく利用している場所だった。


2人でお昼ご飯を食べて、田中さんが見たかったらしい映画を見た。


隣に座る彼を無意識にチラチラと見てしまっては、ハっとしてなんでもなかったように映画に集中させるなんて事が何度もあった。


昨日から一緒に過ごす時間が増すほど、好きという気持ちも大きく大きくなっていた。


けれどその事を田中さんに悟られるのはものすごく恥ずかしくて、態度に出さないように頑張ってしまった。


自分の気持ちをもっと素直に伝えられるようになるには、まだまだらしい。

昨日は少しだけど素直になれたのにな。





映画のあとは2人でぶらぶらとショッピング。


昨日みたいに急遽泊まっても困らないように、田中さん様の服を買った。


これが私の家に収納されるんだと思うと嬉しくて、ニヤニヤしそうな顔を引き締めるのに苦労した。


こんな姿に気付かれたらドン引きだよね。


色々と慎まなきゃだね。


本当は素の私を見ていて欲しいけど、それで嫌われるのはやっぱり怖い。


だからね、もう少し今のままの私でいいよね?






いつか本当の私を好きになってもらえますように。






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