【完】運命は罠と共に






「奈々、あんた自分の彼氏のこと忘れてない?」


亜美の言葉にハッとした。


私はまだ田中さんの腕にしがみついたままで、その格好のまま優と言い争っていたことに気付いた。


田中さんの顔を覗き込むと、苦笑いされた。



「だって興味も無い人に捕まって不快だったんだよ」


ブツブツと聞こえるか聞こえないかの小さな声でいった。


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