【完】運命は罠と共に
こんな時間に起こすわけにもいかないしな。


それでも彼女の顔が見たくて、そっと寝室のドアを空けた。


……やっぱり寝てるな。


いつものベッドで、俺と寝るときみたいに半分以上のスペースを空けて、小さく丸まって眠っていた。


俺が寝るスペースを空けていてくれたのか?


そういえばこんな風に、1人で眠っているところを見るのは初めてかもしれない。


俺が居ないとき、いつもこんなに小さくなって寝ているのだろうか。


いつも強気の彼女の気配はない。


足音をたてないように、そろそろと歩いて奈々の正面に立った。


< 169 / 206 >

この作品をシェア

pagetop