【完】運命は罠と共に
「奈々ごめんな。本当は寂しかったんだろ?」


私が話し始める前に、彼から話を始めてた。


これは今日のことだよね?


「……寂しかった。洋輔さんにチョコ渡そうと思って、待ってた。でも帰って来てくれなくて、本当は早く帰ってきて欲しかったけど、私のわがままで困らせたくなくて、言わなかった」





「はぁー。奈々は分かってない。いつも自分の気持ち押し殺してさ、俺にくらい弱さを見せて。それくらいのわがまま言ってくれた方が、俺には嬉しいって分かって」


「……言ってもいいの?嫌にならない?」


洋輔さんが好きになってくれたのは、弱さを見せていない私なのに、本当にいいの?


「我慢される方が俺はきつい。で、今泣いたのは何で?全然検討もつかないから、話してくれないと分からない」


そうだよね。


いつも私の気持ちを察してくれていたから甘えてた。


分かって欲しいと思うのなら、ちゃんと伝えるたいのなら、言葉にしないといけないんだよね。


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