【完】運命は罠と共に
彼が作ってくれた料理は美味しかった。


こんな風に彼が料理を作ってくれるのも初めてで、嬉しかった。


私がせっせと食べているところを、横からずっと見られていて、食べづらさもあったけど、やっぱり嬉しさが勝っていた。



食事を終えて、片付けまで済ますと、彼に隣に来るように手招きされた。


私がソファに座ると、背中から抱きしめられた。


急に感じた彼の体温にドキりと胸が高鳴った。






「俺と一緒に暮らさないか?」


「…え?暮らすっていうと……」


そういうことだよね?







「はっきり言うな。奈々、俺と結婚してくれ」




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