【完】運命は罠と共に
「言わないなら、言わせればいいんだろ?」


……あっという間に形勢逆転。


私の視界に入るのは、洋輔さんと天井。


洋輔さんは私の上に覆いかぶさってきたかと思うと、私の肌を撫でるように服の中で洋輔さんの手は自由に動き回っていた。


唇は首筋に、鎖骨にと、私の感じるところばかりを攻めてきた。



「……んぁ…っ…、ずる…い」


「ずるいのは奈々だろ?」



抗議しようとしても、まともに声も出せなくて、声を我慢することに必死になるしかなかった。


私が感じるところなんて、誰よりも把握している洋輔さんにとって、私の理性を飛ばすことなんて簡単なはずだ。


また彼によって快楽の波へ溺れていく。






気のせいだろうか、いつもよりすごく優しく抱いてくれた気がした。


「奈々…俺と結婚してくれ」


その言葉が嬉しくて、彼の首にぎゅっとしがみついた。


彼をもっと近くで感じたかった。





「私と結婚してください」


やっとの思いで言葉にすると、彼がしっかり抱きしめ返してくれた。


嬉しそうに笑ってくれる彼に、幸せな気分になった。


すっきり目が覚めていたはずなのに、また眠気に襲われてしまった。


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