【完】運命は罠と共に
日常的な光景にまで嫉妬してしまった以外に、さらに落胆させる原因がもう1つあった。



嫉妬してしまった相手が私の親友だったから。


名前は槻木 亜美で、高校の時からの付き合い。


亜美は最近結婚したばかりで、旦那の事もよく知っている。


旦那の方とは中学・高校の同級生で、2人が付き合いだすまでの経緯も詳しく知っている。


2人の新居に何度もお邪魔しているくらいの間柄なのに、お互いにお互い以外は一切眼中にないくらいベタ惚れだって事も知ってるのに。


そんな亜美にまでも嫉妬してしまった自分が嫌になった。






「こんな自分はなんか嫌!!」

親友にまで嫉妬してしまった自分に嫌気がさした。




「決めてたじゃん。恋なんてしないって。しかも患者さんになんてありえない」


せっかく田中さんが何事も無かったかの様に接してくれている。


だったら私もこの気持ちは忘れなきゃ。


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