【完】運命は罠と共に
あれからせっせと化粧をした。



あくまでナチュラルに。




「今の私にはこれが限界かな」



最後に笑顔も忘れずに。



鏡の前で自分の顔の出来栄えをチェックして、仕事場へと向かう。




「いってきます」



もちろん返事なんて誰からも返ってこない。



それでも今日は言いたい気分だったのだ。




いつか誰かに見送ってもらえたり、誰かを見送る日がくるのかな?
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