【完】運命は罠と共に
「私は……お年寄りの患者さんたちとすごく楽しそうに話をしてて、大変な状態の人ばっかりの病院で、他の患者さんにも笑顔を与えている田中さんがずっと気になって仕方なかったんです。……キス///されたとき、完全に恋に落ちたんです。でもあの時は、田中さんは患者で私は看護師で、頑なに気持ちには蓋をして過ごしてきたんです」



ちゃんと田中さんに伝わっているだろうか。



顔を見ながら話すのは怖くて、俯いてしまっていた。




「亜美には全部話してあります。だから、今日亜美が田中さんの治療が終わったこと教えてくれたんです。私もちゃんと伝えたかったから」




よし、ちゃんと伝えよう。







私は決心して顔をあげた。






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