【完】運命は罠と共に
田中さんがどんな反応をしてくれるのか気になって、恥ずかしさもあったけれど、しっかりと顔を見つめていた。



「あんまり見つめないでくれる?」


そう言って、私の頭を抑えてきた。


もしかして、照れてる?


見たい。見たい。見たい。



「これじゃあ田中さんの顔がちゃんと見れないじゃないですか」


私は抗議した。


今の私はどんな田中さんでも知りたい。



「あんまり見られると色々我慢できなくなるしな。今のこの状況考えてみてくれる?」




今の状況?



1人暮らしには無駄に広い2DKのマイハウス。


いや、田舎だからね、2DKでも割りと安い家賃で借りれるとこあるのよ。


今このアパートで1人暮らししてる世帯は私くらいなんだけど。



脱線してる場合じゃない。



私の部屋の2人がけのソファーに田中さんと2人並んで座っている。



えーと。



……密室に2人きり?





「……///」


急にまた緊張してしまった。


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