【完】運命は罠と共に
「はぁー」



思わず溜め息を吐く田中さんに、前もこんな溜め息聞いたなって思った。




あの時だ!


田中さんに恋に落ちた日。

田中さんにキスをされた日。


思い出すと更に恥ずかしくなった。



「理解できた?そして、さらに状況悪化させるのやめてくれる?可愛くて仕方ないから。我慢できなくなる」



「え?」



「ちょっとだけごめん」




え?と思ったときには私の身体は田中さんの腕の中。



抱きしめられたと気付くのに、少し時間がかかった。



なんか落ち着く。



不思議と心地よかった。
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