【完】運命は罠と共に
店を出たはいいが、無計画に出てしまったためこの後の行き先に困ってしまった。


誰にも邪魔されずに2人で話をする場所なんてそうそう思い浮かばない。


「俺この辺りあんまり詳しくないんだよね」


そう言ってこの辺りが地元だと言っていた金本さんに意見を求めた。





「あのー、嫌じゃなければ私の家に来ます?ここから割りと近いんですけど」


「え?家?」



聞き間違えかと思った。


聞き返すと深い意味はなかったらしく、単純に夜勤明けで疲れているようだった。


こんな状態の時に会いにきてくれたのが嬉しかった。


無いとは断言できない下心を押し殺して、話をするだけと言い聞かせながら金本さんの家に行くことにした。






色々我慢できるだろうか。


妙な緊張感が走ったことを金本さんは知らない。



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