【完】運命は罠と共に
金本さんの家は綺麗に片付けられていた。


少し玄関で待たされるのかと思っていたが、案外すぐに部屋の中へと招き入れていくれた。


俺が座るように進められたのは1人がけのソファ。


そこに座っていると金本さんが紅茶を淹れてくれた。


ハーブティーもあるなんて珍しいと思い尋ねると、槻木さんと2人美容に敏感だという事が垣間見えた。



俺はこんな容姿だからか、羨ましがられることも多々ある。


そんな奴らに限ってこれといった努力は全くしていない。


すでに綺麗なのに、ちゃんと努力している金本さんに関心した。





紅茶のカップを持ってこちらにやってくる彼女。


空いているのは俺の隣しかないが、彼女がどう座るのか気になっていた。


そして案の定俺から少し距離を置いて隣に腰を下ろした。







「もっと近くに来ればいいのに」


離れて座った彼女に向かってそう言った。


「……///」


顔を真っ赤にして、オロオロとする姿が……可愛い。


この反応が俺には堪らない。


「ごめん、ごめん。そんなに動揺しないで」


「もう、からかわないでくださいよ」


「反応が可愛いからついね」


少し拗ねた姿もいい。


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