私を壊して そしてキスして

何も役に立たないって思っていたのに、掃除をしたことだけでも、私の存在を肯定してくれたようで、嬉しい。

こんな些細なことだけど、今はそれが嬉しいのだ。


私なんて、どこにいたって……。
そんな風にさえ感じていたから。



ひどく疲れていたせいか、いつの間にか眠っていた私。
目を開けた時、あたりが暗いのに驚いて、慌てて飛び起きた。


リビングに顔を出すと、ベランダに出て、タバコをふかしている彼の姿。

どこか物思いにふけっている彼の姿に、見惚れてしまった。



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