私を壊して そしてキスして
「翔梧さん……助けて」
「菜那……」
「もっと強く、抱きしめて――」
狭いベッドで、強く強く抱き寄せられる。
骨が砕け散ってしまうかもしれないと思うほど。
けれど、そうしてもらわなければ、もう心が壊れてしまう。
「怖い。怖いの」
「分かってる」
信じた人のひどい裏切り。
私は自分の存在価値を見失ってしまった。
どうして、生きているのか。
どうして、息をしているのか……。
こんな想いをしてまで、生きていないといけないのか……。
きっともっと辛い経験をした人だっているだろう。
だけど……私には、もう限界。