私を壊して そしてキスして
「――ごめんな、さい」
ずっと見ていてくれるなんて、そんな言葉さえもくれた彼。
だけど、こんな私が……。
「落ち着いたか?」
「ごめんなさい」
「謝らなくていい」
謝ることしかできない私。
そんな私を、受け入れてくれる彼に甘えていていいのだろうか。
「菜那、焦るな。すぐには無理だ。
お前はそれだけ傷を負ったんだから。
誰も信じられないのも分かる。
だけど、お前が信じられるようになるまで、俺はお前を決して離さない。
その時、俺がいらないのならそれでもいい。それまでは、俺に頼れ」
自分のすべてをかけて、私に対峙してくれる翔梧さんに、やっぱり涙が溢れてくる。