私を壊して そしてキスして
「信じたい。翔梧さんの事を、信じたいの」
「あぁ、信じろ。絶対に菜那を傷つけたりはしない」
彼の力強い言葉は、私を安心させる。
少しずつ呼吸が戻ってきて、やっと涙が途切れた。
彼の体温と私のそれが混ざり合って、ドンドン私を温めてくれる。
冷え切った心も、少しずつ温度を取り戻すような気さえする。
信じたい。
でも、私にできるだろうか。
誰かを信じることに、疲れてしまった私に。
眠れない私に付き合って、彼も一緒にベッドに座って壁にもたれる。
「翔梧さんは、寝てください」
明日も仕事なのに……。