私を壊して そしてキスして
結局、すぐに働くことを断念した私は、一度は契約をしたマンションをキャンセルした。
彼が、強くそれを主張したからだ。
彼の言うとおり、体も心もボロボロで、一人で暮らす自信がなかった。
一人では何もできなくなりそうで。
彼が一緒だから食事も食べようと思えたし、彼が連れ出してくれるから、外に出かけることもできた。
そして、母に電話を入れてくれた。
私の今の状態と、一人暮らしを延期したこと。
そして、私を未だ回復させられないのは自分のせいだと、謝ってくれたりもした。
勿論、そんな訳がない。
彼が、こうして隣で手を握っていてくれなければ、私は今頃……。