私を壊して そしてキスして

守りたい


彼のために、買い物に出かけることが嬉しい。
「美味しい」と言いながら食べてくれる彼のために。


「今日はシチューな」

やっぱり電話口でそうリクエストする彼は、子供のようだ。
けれど、時間が空けば必ず私に電話をかけるのを止めない。


「シチューですか? ビーフ?」

「チキンでもいいぞ?」


「柳瀬さん電話です」そう遠くで彼を呼ぶ声がして、慌てて電話を切ろうとすると、「またかけるな」と言って私を安心させてくれる。


結局ビーフシチューに決めた私は、いつものスーパーで買い物をすると、大きな買い物バッグが満タンになってしまった。

休日の明日は、二人でゆっくりしたいから。



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