私を壊して そしてキスして

はぁはぁ


久しぶりに全力疾走したせいか息が上がってしまって、玄関に入るなり崩れるように倒れ込んだ。


あっ、買い物袋……。

不思議と一番最初に思い出したのは、そんなこと。

靖司との関係が、これでスッパリ終わった気がして、複雑な想いを抱えていた。


あれからまともに話したのは、今日が初めてだった。
彼の家に謝罪に行った時も、彼と直接話すことはなかったし、もちろん、二人で会うこともなかったから。


彼と愛希が、あの後どうなったかなんて知らない。
彼の話が真実なら、もしかしたら別れたのかもしれない。


でも――。
もう私には関係がない。



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