私を壊して そしてキスして
第3章
初出社
少し気持ちに余裕ができると、今の不安定な土台から抜け出したいと思うようになる。
まずは一歩を踏み出してみようと、仕事を探すことにした。
いくつか就職雑誌にかかれているところへ電話を入れるものの、「もう決まりました」「資格をお持ちですか?」の一言で断られてしまう。
決して景気のいいとは言えない今、それは仕方のないことかもしれない。
それでも、自立して生きて行くには職を探すしかない。
安定したお給料のもらえる仕事があったというのは、本当に幸せなことだったのだと今更ながらに痛感する。