私を壊して そしてキスして
「俺たちは必死で働いているんだ。
お前達みたいに、甘い気持ちなのとは違う。
そのくらい、文句言わずにやれ!」
そんな言葉を浴びせられて、頭が真っ白になる。
甘い……。
そうなんだろうか。
確かに三友商事にいたとき、私にノルマはなかった。
ただ、翔梧さんたちのサポートに徹していただけで。
けれど、それでも役に立っているつもりはあった。
同じように悩みを共有し、困難の打開策を考え、時間のない彼の代わりに、できるだけの情報を集め……。
そんなことすべて否定されたようで、酷く傷つく。