私を壊して そしてキスして
後片付けは、彼と一緒に。
少しだから大丈夫だといっても、作れないんだからこれくらいと言って皿を拭いてくれる。
「菜那」
「はい」
「大丈夫だ。きっとまた……」
「――はい」
きっと愛希と、あの頃のように……。
彼が大丈夫だと言ってくれるなら、その時は来るのかもしれない。
そんな風に思った。
お風呂をいただいた後寝室に向かうと、彼はベッドに座って何かの書類を持ったままウトウトしている。
疲れているんだ。
日頃の激務に加えて私の面倒まで見て、そのしわ寄せが彼の睡眠に行ってしまう。
私がこうして彼のところにやってきてから、彼はぐっすり眠れていないのかもしれない。