私を壊して そしてキスして
そっと書類を奪って布団をかけると、彼が気が付いてしまった。
「菜那。ごめん、寝てたか?」
「いえ。そのまま寝てください。
起こしてしまって、ごめんなさい。キャッ」
気が付くと天井を見上げている私。
そして、その視界には彼の優しい顔。
「菜那を待っていたんだ。まだ、眠るわけにはいかない」
「でも、ずっと睡眠不足です。眠って……」
そういうと、彼は私の唇に指を置いて、首を振る。
「菜那、何があった?」
「えっ……」
「どうしてそんなに疲れてる。
初日だからだけじゃないだろ。俺の目は節穴じゃないぞ?」
彼のそんな発言に、鳥肌が立ってしまう。
それでも、私は首を振る。