私を壊して そしてキスして

「はじめまして。私三友商事の柳瀬です」


彼が内ポケットから名刺をだして、その営業の人に差し出すと、彼は目を見開いた。


「えっ、そんな大きな会社の方がうちに何か?」

「いえ。色々噂を聞きましてね。
何でもここの受付嬢は何度も変わっていらっしゃるとか。

実は彼女は元部下でして。少し心配になりましてね。

まさか、何も知らない女の子を営業に使うようなことないですよね。
そんなことしたら業界を敵に回しますからね」


翔梧さんの一言で明らかに動揺し始める。


「えっ……もちろんですよ。私はこれで、失礼、します」


慌てた様子の彼は、名刺も出さずに小走りに出ていく。





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