私を壊して そしてキスして

「翔梧さん?」

「パンツスーツもなかなかだ」


私の頭から爪先までなめるように見た彼がにっこり笑う。


「いいんだけど、辞めてもらうよ」

「えっ?」


彼がこんなに強い口調で言うのを初めて聞いたから、驚いてしまう。


「菜那が珍しくズボンをはいていたから、怪しいと思ったんだ。

ここ、何となく聞いたことのある会社だったんだけど、思い出せなくて別のやつに聞いてみたんだ。
そうしたら、色々ときな臭い噂を聞いてね。

女子社員を接待に借りだしては契約を結んで、そのあげく何人も辞めているって。

どうも無理やりホテルに連れ込まれそうになった女の子もいて、それを告発されそうになって金で抑えたとかなんとか。
メーカーのバカもそれにつられて、用もないのに顔を出すとか。

今日、接待だったんだろ?」


彼の言葉に驚きながら、私は頷いた。



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