私を壊して そしてキスして
「一番大切なのは、菜那自身なんだよ。
自分をもっと愛してやれ。
弱さも全部認めて、そこからまた始めればいいじゃないか。
もっともっと自信が付いたら、きっとどんなことだってできるようになる。
菜那は自分の価値をもっと感じろ。
そうすればここで踏ん張る必要がないことがきっとわかる」
自分の価値……そんなこと考えたこともなかった。
だけど……少なくとも靖司のことがあってから、「私なんて……」という意識が無意識に働いていたのかもしれない。
だから、何とか就職して自分でお金を稼いで……そんなことばかり考えて、なりふりかまわずという状態だったといえばその通りだ。