私を壊して そしてキスして

超えるべき山……今のここでの仕事は、それに値するとはどうしても思えない。

苦しみながら接待をこなしても、何の糧にもならないだろう。


「私……こんな仕事嫌です。
同じ契約を別の方法で取りたい。
大変なことかもしれない。でも……」


「そうだ。菜那が正しい。
そしてここではそれをやらせてもらえない。
答えは一つだと思うが」


「はい」


にっこり笑った彼は、私の道を修正してくれたのだ。


人事に掛け合うなんて言い出した彼を私は止めた。
それは自分でやらせてくださいと。


すべて彼に頼ってばかりでは成長できない。
私の訴えを聞いた彼は、近くの喫茶店で待ってるからと言い残して出ていった。



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