私を壊して そしてキスして
それから、どこをどう歩いたのかさえ覚えていない。
もう、彼の部屋に忘れてしまった婚約指輪も、用無しになってしまった。
だって、妹と……。
たとえ遊びだったとしても、一生許すことなんてできないから――。
彼が私の両親に結婚の挨拶をしに来てくれてから、何度も我が家には遊びに来ていた。
彼は愛希のことも大切にしてくれていた。
だから、愛希とも打ち解けていたのは確かだ。
だけど、何時から――。
そういう関係になったは、何時から――。
もう、考えても仕方ないや。
彼とは、もう、終わったのだから。