私を壊して そしてキスして
そして、部長にもう一度顔を向ける。
「私も、今日で」
「えっ?」
「もう十分頑張ったから。
それに、もうこの歳では用無しでしょ?
煙たがられているのを知っていたけど、辞めなかった。それが私の意地。
利用されるだけされてポイ捨てなんてさせてやるかって。
でも、もうバカらしいわ。
私も何か違う道を探すことにする。
あなたのお陰で踏ん切りがついたの。
遅すぎたけどね」
やっぱりにっこり笑った彼女は、「こっそりいろんな資格を取ってたの。まだまだいけるわ、私」といいながら机を片付け始める。
そんな話を聞いて、私もスッキリした気持ちになれて。