私を壊して そしてキスして
「とりあえず体を癒して……それからにしたらいいって思っていたけど、焦って空回りしているように見えるんだ。
今回のこともそう。きっともっと冷静に判断できたら、こんな思いをしなくて良かったかもしれない」
「はい」
彼の言うとおりだ。
無職になって収入がないことに焦り、彼の負担になってはいけないとそればかりを考えていた。
「俺は前に言った通り、金のことなんて気にせずに、菜那がここにいてくれればいいと思ってる。
いや、むしろいて欲しい」
「翔梧さん……」
彼の言葉がうれしい。
自分の居場所があるということで、私の精神的負担はかなり軽減していると思う。