私を壊して そしてキスして
そのビルの11階でドアが開いて降り立つと、ずっと奥まで続く廊下。
「このフロアの半分ほどが会社。
もう半分は、人材派遣だったかな。小さいだろ?」
そんな言葉に首を振る。
小さいとか関係ない。
実際、昨日詳しく聞いた話では、少人数ですごい売り上げを残しているITの会社だとか。
開発するソフトがことごとくヒットして、公の施設にも採用されつつあるらしい。
そして、その営業関連の人が足りないのだとか。
そんな知識もない私がと彼に言ったけれど、開発じゃないから問題ないっていってくれた。
営業だって、チームでやっているから問題ない。
自社の商品を愛して、情熱を持って働くことができる。
それだけが最低限の条件だと。
あとの知識はそのうち身に付くなんて彼は笑う。