私を壊して そしてキスして

それから手渡された新しい社員証は、私の士気を高める。

それを首からかけて、所属するチームの一画に連れて行かれた。
といっても同じフロアーにいくつかデスクの塊があるというだけで、会社全体が一つのチームのようだ。


「今日からお世話になります、香坂菜那です。よろしくお願いします」

「よろしくー」


一斉にそう声が上がったそこは、すごく若いチームだった。



「菜那ちゃん、早速こっちね」

「お前ら、菜那ちゃんなんて呼ぶと、殺されるぞ?」

「えっ……こっちの女とか?」


自分の頬に指を滑らせて、真剣な顔をする。


「まぁ、それに近いな」

「平井さん!」

「冗談だよ」


クスクス笑いながら、社長室に行ってしまう平井さん。


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