私を壊して そしてキスして
「翔梧さん……私……あなたをもっと好きになりたい」
「菜那……」
「いい、ですか?」
私がそう言うと、少しだけ口角をあげた彼は、私の額にキスを落とした。
「いいに決まってるだろ」
好きになりたい――。
そう言ったけれど、もうとっくに彼なしでは生きられなくなっている私。
もし、再び失敗したら……。
もしかしたら、もう立ち直れないかもしれない。
だけど……。
「菜那、無理はするな。俺は何時までも待っている」
私の気持ちを見透かしたように、そうつぶやく彼と深いところで結ばれたいと願う。
その夜は、疲れていたせいもあるのか、深く眠ることができた。