私を壊して そしてキスして
それから、私は仕事に励んだ。
時々、上田さんや橋本さんについて、営業も経験した。
アナログ君こと橋本さんも、それは営業は見事で、あっという間に契約を取り付けていく。
「橋本さん、すごいですね」
「だろー。書類は苦手だけどね」
ペロッと舌を出しておどける彼。
けれど、営業先での彼の顔は輝いていた。
「だけどさ、この会社はちゃんと個人の能力を見てくれるんだ。
それで、適切な場所が与えられる。
俺が経理とかやったら、発狂するだろ?」
あははと豪快に笑い飛ばす彼。
適切な場所――。
私にとって、その場所は……。