私を壊して そしてキスして
「菜那ちゃん、最近元気になってきたね。顔色も良くなったし」
「えっ?」
まさか橋本さんにまで、そんな風に言われるなんて。
「あ、上田さんに言われてたんだよ。
菜那ちゃん体調が悪いから、無理をさせたらダメだって。
何か社長命令らしいけど、菜那ちゃん、平井社長のこれじゃないよね」
小指を立てて、そう笑う。
「ち、違いますから」
「だよねー。上田さんと社長が怪しいって踏んでるんだ、俺」
「えっ?」
「なんかさ、社長、上田さんが来てから絶好調なんだよ。
男なんて単純だから、好きな女が傍にいると、頑張っちゃう訳」