私を壊して そしてキスして
「お姉ちゃん、久しぶりね」
ぶっきらぼうにそう言う愛希の顔が、前よりずっとキツクなった気がする。
「元気?」
私のその問いかけに、返事をすることもなく、ふーっと息を吐き出す。
二人で向かい合ったカフェの一角は、何だか微妙な空気が流れていた。
「お父さんと、お母さんは……」
「ねぇ、お姉ちゃん」
私の言葉を遮って、話し始めた愛希。
「靖司さんとどうなってるの?
全然会ってくれなくなったんだけど。
それに、お姉ちゃん、新しい男がいるんでしょ。
しかも、靖司さんと付き合っているときからなんでしょ?
私たちの事だけ責めて、自分だって」
愛希がそう言ったとき、体の中からこみあげてくる怒りが、抑えられなくなった。